お腹の肉を落とすなら有酸素運動が最適であるという考えは、ある種の定説になっています。
それは果たして本当に正しいと言えるでしょうか?
結論から先に言うと半分YES、半分NOです。
つまり有酸素運動は正しく行えばお腹の肉を落とす効果がありますが、やり方を間違えると逆効果になります。
そこで今回は、有酸素運動で脂肪燃焼の効果を高める方法について話します。
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【目次】
(1)お腹の肉を落とすのが目的!でも有酸素運動を続けると…
- 運動による身体の適応反応とは?
- 有酸素運動に適した身体の特徴とは?
- 省エネ体質は、お腹の肉を落とすには逆効果
(2)有酸素運動でお腹の肉を落とすには、なぜ筋トレが必要なのか?
(3)お腹の肉を落とす!有酸素運動の効果を高める強度とタイミング
- 有酸素運動の最適な強度とは?
- ベストタイミングは空腹時
- 筋トレの直後は脂肪燃焼のゴールデンタイム
- 運動を開始して約20分で脂肪燃焼ゾーンに突入
(4)お腹の肉を落とす!これが、有酸素運動の脂肪燃焼の効果
- 体脂肪のエネルギーはどれくらい?
- 有酸素運動のダイエット効果の目安
まとめ
(1)お腹の肉を落とすのが目的!でも有酸素運動を続けると…
有酸素運動は体脂肪を燃焼させるので、習慣的に行えば効果的にお腹の肉を落とす事が出来る!
あなたは、そう思っていませんか?
しかし有酸素運動の効果は、そう単純な話ではありません。
運動による身体の適応反応とは?
人間は1つの運動を続けていると、その運動に適した身体に変化して行きます。
それは身体の適応反応の1つです。
例えば100m走の選手を思い浮かべみて下さい。
彼らは非常に筋肉質な身体をしています。
何故なら100m走で速く走るには、筋肉を太くしてパワーとスピードを生み出す必要があるからです。
では有酸素運動に適した身体はどんな身体だと思いますか?
有酸素運動のような強度の低い長時間の運動を続けるには、出来るだけ消費カロリーを抑える必要があります。
つまり有酸素運動に適した身体とは省エネ体質と言う事になります。
例えばジョギングなら、少ないエネルギーでより遠くまで走る事が可能になる訳です。
有酸素運動に適した身体の特徴とは?
では省エネ体質になると、身体にはどのような変化が起こるのでしょうか?
まず心肺機能が向上するので、酸素の供給がスムーズになり持久力が高まります。
更にエネルギー消費を抑える為に体重が減らされます。
車で言えば大型車よりも軽自動車の方が燃費が良いのと同じです。
この場合、体脂肪はエネルギー源として残しておきたいので、優先的に減らされるのはカロリー消費の多い筋肉という事になります。
省エネ体質は、お腹の肉を落とすには逆効果
では、ここで考えてみましょう!
有酸素運動に適した省エネ体質というのは、お腹の肉を落とすには効率が良いと思いますか?
省エネ体質になるとエネルギー消費が減りますから、当然の事ながら運動中の体脂肪の燃焼効率は下がります。
つまり、お腹の肉を落とすには逆効果という事になります。
また筋肉が減ると基礎代謝が下がりますから、日常的な消費カロリーも減少します。
ですから有酸素運動を行っているのに上手くお腹の肉を落とす事が出来ないという人は、こうした落とし穴にはまっている可能性がある訳です。
(2)有酸素運動でお腹の肉を落とすには、なぜ筋トレが必要なのか?
では、お腹の肉を落とすなら有酸素運動はしない方が良いのか?
いえ、そうではありません。
ただし脂肪の燃焼効果を高めるには条件があります。
それは筋トレを行って筋肉を増やす事です。
筋肉が増えると基礎代謝が上がるので消費カロリーが増加します。
ちなみに筋肉が1kg増えると基礎代謝だけで50キロカロリーの消費が増えると言われています。
つまり筋肉の多い身体は燃費の悪い身体ですから、有酸素運動を行うと脂肪をたくさん燃焼させてエネルギーに変える必要がある訳です。
これはお腹の肉を落とすには効率の良い身体という事になります。
ですからダイエット目的で運動を始める場合は先ず筋トレで脂肪燃焼体質になり、その上で有酸素運動を行うのが理想的です。
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(3)お腹の肉を落とす!有酸素運動の効果を高める強度とタイミング
有酸素運動の最適な強度とは?
運動中は脂肪だけではなく糖質もエネルギー源として使われます。
糖質は無酸素状態でもエネルギーを生み出し、運動の強度が高くなるほど多く使われます。
一方、脂肪が燃焼するには酸素が必要であり、脂肪エネルギーは主に強度の低い運動時に使われます。
ですから呼吸が苦しくなる程の運動は酸素不足の状態になるので、脂肪の燃焼効率が落ちて糖質エネルギーの利用が高まります。
これでは効果的にお腹の肉を落とす事は出来ません。
では脂肪の燃焼効率を最適にする運動の強度はどれ位なのか?
それは運動中の心拍数を目安にすると、最大心拍数の50~65%の強度を維持するのが良いとされています。
その心拍数ゾーンの計算方法は次の通りです。
(心拍数)→(220-年齢)×(0,5~0,65)
ですから有酸素運動を行う際には心拍計を装着しておけば、常に最適な強度で運動を続ける事が出来ます。
感覚的には軽く息が弾み適度に汗ばむ状態です。
また有酸素運動は行うタイミングによって脂肪の燃焼効率が大きく違ってきます。
では有酸素運動を行うべきタイミングは何時なのか?
ベストタイミングは空腹時
体脂肪は予備のエネルギーとして貯蔵されていますから、食事をして栄養が満たされている状態では必要がありせん。
ですから食事をして暫くの間は、有酸素運動を行っても脂肪は燃焼しにくいという事になります。
優先的に使われるのは御飯、麺類、パンなどの主食と呼ばれる炭水化物から得た糖質エネルギーです。
しかし糖質エネルギーが減少して血糖値が下がってくると、予備の脂肪を燃焼させてエネルギーに変える必要が生じます。
空腹時というのは、ちょうどそのタイミングに当たる訳です。
ですから有酸素運動を行うベストタイミングは空腹時という事になります。
ただし、糖質は脂肪燃焼の着火剤として使われ、もし枯渇した場合には筋肉を構成するアミノ酸から糖新生という形で生成されます。
これは筋肉の分解を意味しますから、それを防ぐにはアミノ酸系のサプリの摂取がおすすめです。
また、脂肪燃焼には水が必要不可欠ですから、水分もしっかりと補給しましょう。
筋トレの直後は脂肪燃焼のゴールデンタイム
体脂肪は通常、中性脂肪という安定した状態にあるので、そのままでは燃焼されません。
中性脂肪は脂肪分解酵素のリパーゼによって脂肪酸に分解された状態で燃焼します。
リパーゼは空腹時、あるいは闘争ホルモンとも呼ばれるアドレナリンの分泌の際に活性化します。
そして、ある種の攻撃的な運動とも言える筋トレを行うと、このアドレナリンが多量に分泌されるのです。
するとリパーゼが活性化しますから、筋トレの直後は脂肪酸が大量に生産される事になります。
この状態で有酸素運動を行うと脂肪酸が次々と燃焼しますから、筋トレの直後はお腹の肉を落とすゴールデンタイムとも呼べるのです。
運動を開始して約20分で脂肪燃焼ゾーンに突入
よく有酸素運動は20分以上継続しないと脂肪の燃焼効果が期待できないと言われています。
その理由は、先程もお話した脂肪分解酵素のリパーゼが鍵になります。
リパーゼは空腹時、アドレナリンの分泌、0,5~1,0度の体温上昇などに伴って活性化します。
実際に有酸素運動を開始すると、まず心拍数が上がって血行が良くなり徐々に体温も上昇します。
するとリパーゼが活性化して体脂肪を脂肪酸に分解し始めます。
こうして幾つかの過程を経て脂肪燃焼ゾーンに入るまでに約20分が必要という訳なのです。
ですからお腹の肉を落とす効果が高まるのは、この脂肪燃焼ゾーンに入ってからという事になります。
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(4)お腹の肉を落とす!これが、有酸素運動の脂肪燃焼の効果
体脂肪のエネルギーはどれくらい?
体脂肪1gは7,2キロカロリーを含んでいます。
ですから1kgの体脂肪を減らす場合は7,2kcal×1000g→7,200キロカロリーの消費が必要と言う事になります。
では有酸素運動によって一体どれだけの体脂肪を減らす事が出来るのでしょうか?
そこで運動別に消費カロリーと脂肪燃焼の関係を以下にまとめておきました。
お腹の肉を落とす目安になれば良いと思います。
有酸素運動のダイエット効果の目安
表示は有酸素運動の「種目」「1時間の消費カロリー」「1時間で燃焼する脂肪の量」「体脂肪1kgを落とすのに必要な運動時間」の順に記しています。
(数値は体重60kgの場合を目安にしています)
・普通ウォーキング:189キロカロリー、26,3g、38時間
・速いウォーキング:252キロカロリー、35g、28,6時間
・水中歩行:252キロカロリー、35g、28,6時間
・エアロビクス:409キロカロリー、56,8g、17,6時間
・ジョギング:441キロカロリー、61,3g、16,3時間
・ランニング:504キロカロリー、70g、14,3時間
・ゆっくり縄跳び:504キロカロリー、70g、14,3時間
・クロール:504キロカロリー、70g、14,3時間
・速い縄跳び:630キロカロリー、87,5g、11,4時間
・平泳ぎ:630キロカロリー、87,5g、11,4時間
いかがですか?ご覧の通り、有酸素運動で1kgのお腹の肉を落とすのはかなり大変です。
ちなみにコンビニサイズのおにぎり1個分が約168キロカロリーですから、その消費には約53分間の普通ウォーキングが必要です。
ちょっとした食べ過ぎによる代償は意外に大きいかもしれません。
一度付いてしまったお腹の肉を落とすには、運動だけでは効率が悪いので食事の管理も必要です。
※参考記事はコチラ⇒お腹回りが綺麗に痩せる食事!ダイエットに成功する糖質制限の方法
まとめ
いかがでしょうか。有酸素運動でお腹の肉を落とす効果を高めるには次の5つの留意点があります。
- 筋トレと並行する
- 最適な運動強度は軽く息が弾んで適度に汗ばむ程度
- ベストタイミングは空腹時
- 筋トレの直後はゴールデンタイム
- 運動を開始して約20分で脂肪燃焼ゾーンに突入
これに加えて食事の管理を行うとダイエット効果が倍増します。
有酸素運動を行っているのに上手く痩せない場合は、ぜひ参考にしてみて下さい。
※おすすめ記事はコチラ⇒皮下脂肪を減らす!ウォーキング&ジョギングの効果、違いとは?
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