お腹の肉を落とす運動には、大きく分けると筋トレと有酸素運動の2つがあります。
まず、有酸素運動を行うと皮下脂肪が燃焼します。
また、筋トレを行うと筋肉が増加して基礎代謝がアップします。
いずれにおいても、運動のやり方や強度を間違えると、ダイエット効果が下がって皮下脂肪は上手く減りません。
そこで今回は、お腹の肉を落とす運動のコツについて解説します。
スポンサードリンク
【目次】
(1)お腹の肉を落とす!筋トレと有酸素運動のダイエット効果の違いとは?
- 筋トレで筋肉を増やして基礎代謝をアップ
- 有酸素運動で皮下脂肪を燃やす
- 有酸素運動を行うべきタイミングとは?
(2)お腹の肉を落とす筋トレ!皮下脂肪を減らす最適な運動強度は?
- 本格的に筋肉を付けるならウエイトトレーニング
- 器具を使わずに自宅で行うなら自重トレーニング
- 1日5分で全身の筋肉を鍛えるなら、アイソメトリックトレーニング
(3)お腹の肉を落とす有酸素運動!皮下脂肪を減らす最適な強度は?
- 有酸素運動の最適な強度
- 有酸素運動で痩せるなら筋トレが必要
まとめ
(1)お腹の肉を落とす!筋トレと有酸素運動のダイエット効果の違いとは?
お腹の肉を落とすのに効果のある運動には、大きく分けると筋トレと有酸素運動の2つがあります。
まずは、それぞれの運動効果の違いを知っておきましょう。
筋トレで筋肉を増やして基礎代謝をアップ
まず、筋トレは筋肉を大きく成長させる効果のある運動です。
筋トレのような強度の高い運動では、主に糖質がエネルギーとして使われます。
ですから、筋トレ自体は皮下脂肪を燃焼させるのが目的ではありません。
筋トレでお腹の肉を落とす効果が高まるのは、筋肉が増えると基礎代謝がアップするからです。
基礎代謝というのは、人間が生きているだけで消費される必要最低限のカロリーの事で、
1日の総消費カロリーの約7割を占めています。
つまり、筋肉が増えると日常的なカロリー消費が増加して脂肪燃焼体質になる訳です。
ちなみに、筋肉が1kg増えると基礎代謝だけで約50キロカロリーの消費が増えるとも言われています。
そして、身体を動かしたり運動を行ったりすると、筋肉は更に余分なカロリーを消費します。
こうした点で、筋トレを行って筋量を増やすと、お腹の肉を落とす効果が高まるのです。
有酸素運動で皮下脂肪を燃やす
有酸素運動は直接的に皮下体脂肪を燃やしてお腹の肉を落とす運動です。
そこでまず初めに、皮下脂肪が燃える仕組みについて簡単に話しておきましょう。
平常時において、体脂肪は中性脂肪という安定した状態にあるので燃焼できません。
ところが、運動を始めて体温が上昇してくると脂肪分解酵素のリパーゼが活性化します。
すると、中性脂肪は脂肪酸に分解されて燃える状態になります。
そして、脂肪酸は血中に溶け出して全身に運ばれ、必要に応じて燃焼しながらエネルギーに変わります。
これが、皮下脂肪が燃えるまでの一連の流れです。
有酸素運動を行うべきタイミングとは?
脂肪燃焼の鍵を握るリパーゼが活性化するタイミングは次の3つであり、
このいずれかで有酸素運動を行えば皮下脂肪の燃焼効率が上がり、お腹の肉を落とす効果が高まります。
①空腹時
空腹時は、優先的に使われる糖質エネルギーが不足している状態ですから、
リパーゼが活性化して、予備のエネルギーである皮下脂肪の燃焼準備が始まります。
ですから、有酸素運動を行うには最適なタイミングという事になります。
②20分以上の運動の継続
既に解説した通り、脂肪が燃焼するには運動を開始してから幾つかの準備段階が必要になります。
そして、脂肪が効率良く燃焼を始める脂肪燃焼ゾーンに入るまでには約20分かかると言われています。
ですから、運動を20分以上続ける事によって、お腹の肉を落とす効果が高まってくる訳です。
③筋トレの直後
ある種の攻撃的な運動とも言える筋トレを行うと、闘争ホルモンのアドレナリンが多量に分泌されます。
アドレナリンはリパーゼを活性化させるので、それに伴って皮下脂肪が燃える状態の脂肪酸に分解されていきます。
ですから、筋トレの直後は脂肪酸が大量生産されている状態にあり、
有酸素運動で脂肪を燃やすゴールデンタイムでもある訳です。
参考記事⇒お腹回りの脂肪を落とす運動の秘訣!有酸素運動の4つの鉄則とは?
スポンサードリンク
(2)お腹の肉を落とす筋トレ!皮下脂肪を減らす最適な運動強度は?
今度は、筋肉を増やして脂肪燃焼体質になるための筋トレについて、3つの方法を解説します。
筋肉を増やすと日常的に皮下脂肪が燃えやすくなるので、お腹の肉を落とす効果が高まります。
そのためには、強度の高い運動を行って筋肥大を起こす必要があります。
筋肥大というのは、高強度の筋トレで筋肉が激しい疲労を起こすと、
その後の回復によって、筋肉が同じ負荷に耐えられるように成長して強くなる事です。
本格的に筋肉を付けるならウエイトトレーニング
ウエイトトレーニングは、ダンベル、バーベル、マシーンを使って筋肉に強度の高い負荷を加える運動です。
この運動の特徴は、ウエイトを段階的に増やしながら自分の限界を超えていける点です。
そして、限界を超える度に筋肉は大きく成長しますから、本格的に筋肉を付けるには最適な運動です。
ここでは種目に関する説明は省きますが、ウエイトトレーニングで最大の効果を得るための留意点は次の4つです。
①正しいフォームの確認とウォーミングアップを兼ねて、ウエイトを徐々に上げながら初めに数セットを行います。
②メインの1セットでは全力で8~10回が持ち上がるウエイトを設定し、反動を使わずに動作を出来る限り早く行って力を出し切って下さい。
③筋トレで大切なのは、時間をかけて運動量を増やす事ではなく、運動強度を上げて短時間に集中して限界を超える事です。
そして、限界を超えた時に筋肥大のスイッチが入ります。
④筋肉の疲労回復には、最低でも48~72時間が必要と言われていますから、
筋肉にしっかりと刺激が加わっていれば、頻度は週に2回くらいで十分に効果が得られます。
参考記事⇒ダンベル筋トレで腰、お腹回りの脂肪を落とす!中年男性のダイエット
器具を使わずに自宅で行うなら自重トレーニング
自重トレーニングとは、文字通り自分の体重を利用した筋トレです。
これは、自宅で何時でも簡単に行えるというのが最大のメリットです。
しかし、負荷には限界があるので、筋肉を大きくするのにも限りがあります。
ただし、「運動強度=重さ×速さ」ですから、動作を出来るだけ早く行う事によって運動の強度を上げる事は可能です。
具体的に言うと、速筋を使った無酸素運動の限界が約45秒と言われています。
ですから、どんな種目でも45秒以内で力を出し切れる速さで行うと速筋を強く刺激する事が出来ます。
速筋というのはパワーとスピードに優れており、太く大きくなりやすい筋肉繊維です。
ちなみに、持久力に優れている筋肉は遅筋と呼ばれ、こちらは筋肥大がほとんど起こりません。
では、各種目の留意点を簡単に説明しておきましょう。
スポンサードリンク
「腕立て伏せ」
腕立て伏せは、手の幅を変える事によって筋肉への刺激が違ってきます。
まず、手の幅を広くするほど胸を中心に刺激が加わります。
手を肩幅に開くと、主に三角筋と呼ばれる腕の付け根の前側が鍛えられます。
手の幅を更に狭くすると二の腕が鍛えられます。
「腹筋運動」
腹筋運動は上体を起こすというよりも、おへそを見ながら上体を丸めて腹筋を縮めるイメージで行うと、お腹に刺激が上手く伝わります。
「上体そらし」
うつ伏せに寝て背中の後ろで手を組み、上体を反らします。
誰かに脚を押さえてもらうと背中の筋肉に刺激が入りやすくなります。
「スクワット」
スクワットで鍛えられる、太もも、お尻は身体の中で最も筋肉が多い部分です。
ですから、ここの筋量を増やせばお腹の肉を落とす効果は絶大です。
1日5分で全身の筋肉を鍛えるなら、アイソメトリックトレーニング
アイソメトリックトレーニングは最も簡単な筋トレの方法で、半畳分ほどのスペースさえあれば行えます。
やり方は、身体を動かさずに筋肉に力を入れた状態を保持します。
では、身体の部位ごとに筋肉を鍛える方法を見ていきましょう。
「腹筋の鍛え方」
椅子に腰かけて脚を大きく開き、両手を膝の上に置きます。
そして上体を前に倒し、手で膝を押すと腹筋が鍛えられます。
「腕の鍛え方」
手首を重ねて十字を作ります。
そして互いの手首を押し合うと、それぞれ力こぶと二の腕が鍛えられます。
これを腕の上下を入れ替えて交互に行って下さい。
「胸の鍛え方」
胸の前で手のひらを合わせて押し合うと胸の筋肉が鍛えられます。
「背中の鍛え方」
お腹の前で両手の指でカギを作って握り合います。
そして、左右の肩甲骨を寄せながら手を引っ張り合うと背中の筋肉が鍛えられます。
「脚の鍛え方」
椅子に腰掛けて脚を閉じます。
そして足首を上下に重ねて互いに押し合って下さい。
それぞれ太ももと太ももの裏側の筋肉が鍛えられます。
これを足の上下を入れ替えて交互に行って下さい。
以上がアイソメトリックトレーニングの方法ですが、押し合う力を強くして運動強度を高めるほど筋肉が大きくなります。
これを1日に1回、普通に呼吸しながら約10秒間行えば全身の筋肉に十分な刺激が加わります。
スポンサードリンク
(3)お腹の肉を落とす有酸素運動!皮下脂肪を減らす最適な強度は?
有酸素運動の最適な強度
有酸素運動は、直接的に皮下脂肪を燃やしてお腹の肉を落とす方法です。
ただし、その運動強度によって体脂肪の燃焼効率が変わってきます。
例えば、運動強度が上がって息苦しくなってくると酸素が足りない状態となります。
すると、糖質エネルギーの利用が増えて脂肪の燃焼効率が下がります。
なぜなら、皮下脂肪が燃焼するには酸素が必要不可欠だからです。
一方の糖質は、酸素が無くてもエネルギーを生産できるのです。
では、皮下脂肪の燃焼効率を最適にする運動強度はどれくらいなのか?
それは、運動中の心拍数を最大心拍数の50~65%に維持できる強度だと言われています。
その心拍数ゾーンの計算方法は次の通りです。
↓ ↓ ↓
心拍数→(220-年齢)×(0,5~0,65)
例えば40歳の方であれば、(220-40)×(0,5~0,65)→90~117になります。
ですから、心拍数が90~117の範囲で有酸素運動を継続すれば、お腹の肉を落とす効果が最も高まるという事です。
この数値を参考にする場合は、運動中に腕時計型の心拍計を装着しておけば役に立ちます。
感覚的には、軽く息が弾み適度に汗ばむくらいの強度です。
有酸素運動で痩せるなら筋トレが必要
有酸素運動でお腹の肉を落とすなら、筋トレと並行する事で皮下脂肪の燃焼効果が倍増します。
例えば、ランニングだけを習慣的に行っているとすれば、
身体は適応反応を起こしてランニングに適した身体に変化して行きます。
ランニングに適した身体とは、エネルギー消費をできるだけ少なくして長い距離を走れる身体です。
つまり省エネ体質の身体という事になります。
省エネ体質になると、カロリー消費の多い筋肉が減らされます。
こうして脂肪エネルギーを長持ちさせる事で、より長時間の運動が可能になる訳です。
そうすると脂肪の燃焼効率が下がるので、お腹の肉を落とすには最適な状態とは言えません。
また、筋肉の減少は基礎代謝を低下させますから、日常的な消費カロリーが減少して皮下脂肪が燃えにくくなります。
そこで、有酸素運動のダイエット効果を高めるのであれば、筋トレで筋肉を増やして脂肪燃焼体質になる必要がある訳です。
ですから、お腹の肉を落とすのが目的で有酸素運動を行うなら、筋トレと並行するのが理想的という事になります。
参考記事⇒なぜ、メタボ解消には有酸素運動より筋トレが有効なのか?
まとめ
(1)お腹の肉を落とす運動。
- 筋トレ→筋肉を増やし、基礎代謝を上げて消費カロリーを増やす
- 有酸素運動→直接的に皮下脂肪を燃やす
(2)ダイエットに最適な運動強度。
- 筋トレ→重い負荷のかかる運動を、短時間に速い動作で行う
- 有酸素運動→軽く息が弾んで適度に汗ばむくらいの強度
(3)運動でお腹の肉を落とすなら、筋トレをメインにして有酸素運動をサブで行うのが理想的です。
合わせて読んでおきたい
⇒メタボ解消には運動で何カロリーの消費が必要か?その目安と計算
スポンサードリンク
コメントを残す