筋トレの方法にも色々とありますが、中でも筋肉を効果的に発達させるのがウエイトトレーニングです。
しかし、やり方を間違えると筋肥大は上手く起こりません。
ウエイトトレーニングを行う上では、特に強度、回数、頻度が重要になってきます。
そこで今回は、効果的に筋肉をつけるウエイトトレーニングの方法について解説します。
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【目次】
(1)ウエイトトレーニングの種類と注意点
- 自重トレーニング
- 筋トレマシーン
- フリーウエイト
- ウエイトトレーニングの注意点
(2)ウエイトトレーニングの強度と回数について
- ウエイトトレーニングの目的
- 運動強度の考え方
- 重量と回数の設定方法
(3)効果を高めるウエイトトレーニングのセット数
- ウエイトトレーニングは量より質が大事
- 無暗にセット回数を増やしても疲労が残るだけ
(4)効果を高めるウエイトトレーニングの分割法
- 分割法とは?
- 鍛える部位の組み合わせ
- トレーニングの順序
(5)効果を高めるウエイトトレーニングの頻度
- ウエイトトレーニング後は超回復の期間
- 筋トレを行う頻度の目安
- 筋肉痛とトレーニングの頻度
(6)ウエイトトレーニングによる身体の変化
- 筋トレの効果は初心者ほど現れやすい
- 筋肥大とホメオスタシス
まとめ
(1)ウエイトトレーニングの種類と注意点
ウエイトトレーニングとは文字通りウエイト(重り)を使って行う筋トレで、筋肉を刺激して筋肥大を起こすには最適な方法です。
その種類は、大まかに次の3つです。
自重トレーニング
まずは腕立て伏せや腹筋運動のような自重トレーニングです。
こうした筋トレはウエイト器具を使う訳ではありませんが、自分の体重を利用するという点ではウエイトトレーニングと同じです。
メリットとしては、何時でもどこでも簡単に行えるのでジム通いの必要がないという点です。
※参考記事はコチラ⇒自宅で痩せる筋トレのメニュー!初心者の女性にも簡単なダイエット方法
ただ、体重というのはほぼ一定していますから負荷には限界があります。
ですから、段階的に負荷を増やしながら筋肉を大きくしていく場合には、器具を使ったウエイトトレーニングが効果的です。
筋トレマシーン
筋トレマシーンを使ったウエイトトレーニングの特徴は、動作の軌道が一定しているので安定感があるという点です。
ですから運動が行いやすく、しかも怪我のリスクが少ないというメリットがあります。
また、ウエイトをワンタッチで切り替える事ができるので取り扱いも簡単です。
こうした点を踏まえると、初心者の人がウエイトトレーニングを始める場合、まずは筋トレマシーンを使うのが良いと思います。
フリーウエイト
そして中級者から上級者に適しているのが、ダンベルやバーベルなどのフリーウエイトを使った筋トレです。
筋トレマシーンとの大きな違いは、不安定なウエイトを自分の力で支える必要がりますから、筋肉への刺激がより強くなるという点です。
ですから、微妙なバランスをとりながらフォームを安定させて動作を行わなければなりません。
もしバランスを崩すと関節などに不自然な力が加わり、場合によっては怪我をする可能性もあります。
こうした意味において、ダンベルやバーベルを使ったウエイトトレーニングは中級者から上級者向けという事になります。
※参考記事はコチラ⇒ダンベル筋トレで腰、お腹回りの脂肪を落とす!中年男性のダイエット
ウエイトトレーニングの注意点
ウエイトトレーニングで扱う重量は、筋トレの効果を推し測る一つの指標になります。
つまり前回よりも重い重量が上がるようになれば、筋力がアップしているという事になります。
だからといって急激にウエイトを増やしてしまうと、関節や靭帯などに無理な負担が生じて怪我をする危険性があります。
また、反動を利用してただ闇雲に重いウエイトを持ち上げたとしても、筋肉へは刺激が上手く伝わらないので筋肥大の効果は見込めません。
ですからウエイトトレーニングで重要なのは、あくまでも筋肉の成長分に応じて少しずつ重量を増やすという事です。
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(2)ウエイトトレーニングの強度と回数について
ウエイトトレーニングの目的
筋肉には遅筋と速筋の2種類があります。
遅筋は持久型の筋肉で、スタミナはありますが筋力は弱く鍛えても太くなりません。
一方で速筋はパワーとスピードに優れた短距離型の筋肉で、鍛えると成長して太くなります。
例えばマラソン選手は痩せ型が多く、短距離選手が筋肉質な体型をしているのを見れば、その違いが分かると思います。
ですから、ウエイトトレーニングで筋肉を大きくするなら速筋を刺激しなければなりません。
速筋を刺激するには短時間で高強度の運動を行う必要があります。
逆に強度の低い長時間の運動は遅筋のトレーニングになりますから、筋肥大は起こりにくいという事になります。
運動強度の考え方
ウエイトトレーニングで強度を上げる場合には、単に重量を増やせば良いという訳ではありません。
もちろんウエイトを重くすれば筋肉への刺激は強くなりますが、強度を上げるにはもう一つの重要な要素があります。
それはスピード、即ち動作を行う速さです。
つまり、「強度」=「重量」×「スピード」という事になります。
例えば同じウエイトのバーベルを同じ回数だけ持ち上げる場合、動作をより速く行う事によって運動の強度が高まる訳です。
ですからウエイトトレーニングで効果的に速筋を鍛えるなら、短時間の爆発的な動作で力を出し尽くす事が重要なのです。
重量と回数の設定方法
ではウエイトトレーニングを行う場合、具体的に重量や回数はどれくらいに設定すれば良いのか?
一般的には、全力で8~12回が持ち上がる重さが最適だと言われています。
あるいは重量を少し軽くして回数を増やしても、動作をより速く行えば速筋に刺激は十分に伝わります。
その場合は目安として、速筋が最大筋力を発揮できる限界値と言われている約45秒以内に力を出し切ると良いでしょう。
陸上競技で言うと、速筋をメインで使う無酸素運動に近い400m競走のタイムと同じくらいです。
こうして重量とスピードの組み合わせを変える事によって筋肉に加わる刺激も変化します。
すると筋肉の反応が良くなるので筋肥大の効果が高まる訳です。
逆にいつも同じパターンでウエイトトレーニングを行っていると、やがて筋肉に慣れが生じて反応も鈍ってしまいます。
ですから筋トレの効果を高める上で重要なのは、定期的に強度の入れ方を変えてみるという事です。
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(3)効果を高めるウエイトトレーニングのセット数
今度は効果を高めるウエイトトレーニングのセット回数について考えてみましょう。
例えば筋肉雑誌などを見ると、モデルケースとして3セット程度に設定されている場合が多く、それが広く一般化しています。
では、この3セットという回数には何か意味があるのでしょうか?
感覚的には少なからず多からずの程よいセット回数に思えるかもしれません。
しかし筋肥大のスイッチを入れるのなら、ただ1セットさえあれば十分に事足りるのです。
ウエイトトレーニングは量より質が大事
そもそも筋肥大というのは、ウエイトトレーニングの量に比例して起こりやすくなる訳ではありません。
重要なのは、今の限界を超えるだけの強い刺激を筋肉に与える事です。
では、1回のトレーニングで何度も限界を超えるような運動を行う事は可能でしょうか?
少なくともセット回数が増える毎に、やがて筋肉は疲労して集中力も低下してしまう筈です。
ですからウエイトトレーニングで効果的に筋肥大を起こすなら、メインの1種目につき1セットのワンチャンスに集中する事が重要なのです。
そして、この1セットで限界を超える事ができれば筋肥大のスイッチが入る訳です。
つまりウエイトトレーニングで重要なのは量よりも質であるという事になります。
もちろんフォームを確認するために、予め軽い負荷で2セット程度のウォーミングアップが必要である事は言うまでもありません。
無暗にセット回数を増やしても疲労が残るだけ
ウエイトトレーニングを行っている多くの人は、とかく練習量を重要視する傾向があります。
ですから今まで行っていたセット回数を減らすとなれば不安を感じるかもしれません。
私自身もかつては練習量に重点をおいていましたが、疲労の割には筋トレの効果が感じられない時期が続いていた事がありました。
そこで思い切ってセット回数を減らしてみたところ、特に筋量の減少も見られず、逆に無駄な疲労感が抜けて運動のレベルが向上したのが実際のところです。
ちなみに海外のトップビルダーの多くは、驚くほどトレーニングの時間が短かったりもします。
例えば、かつてミスターオリンピアで活躍したドリアンイエ―ツの場合、全盛期における1日のトレーニング時間はわずかに45分程度であったと言われています。
(4)効果を高めるウエイトトレーニングの分割法
次は1回のウエイトトレーニングでどこの部位を鍛えれば良いかという点について見ていきましょう。
分割法とは?
一度に全身を鍛えるのは大変ですから、基本的には鍛える部位を幾つかに分けて行います。
こうしたウエイトトレーニングの方法を分割法と言います。
例えば上半身と下半身の2つに分ける場合は2分割、もう少し細かく3つに分けるなら3分割という事になります。
そして強度が高まるほど身体への負担が増しますから、一度にトレーニングできる部位は限られてきます。
ですから上級者の多くが4分割、5分割という具合に更に細かく分けてトレーニングを行っています。
そうするとウエイトトレーニングの質を上げながら、しかも各部位を集中的に鍛える事ができる訳です。
鍛える部位の組み合わせ
ウエイトトレーニングを分割法で行う場合、鍛える部位の組み合わせには工夫が必要です。
まず、筋肉は部位ごとの筋量の違いによって大筋群と小筋群の2つに分けられます。
大筋群とは、胸、背中、太股などの大きな筋肉です。
一方の小筋群とは、腕、肩、ふくらはぎ、腹筋などの小さな筋肉です。
そして分割法では基本的に疲労度の大きな大筋群と、疲労度の少ない小筋群を組み合わせるのが最適です。
例えば今日は胸と腕のトレーニング、次回は背中と肩のトレーニングといった具合です。
こうすれば疲労度を分散させて、全体のバランスを上手くとる事ができます。
トレーニングの順序
もう一つ重要なのが、ウエイトトレーニングで鍛える部位の順番です。
その場合、先に大筋群を鍛えて次に小筋群を鍛えると筋トレの効率が高まります。
なぜなら最大筋力というのは、身体がまだ疲労していない1種目が最も発揮しやすいからです。
そこで、より高レベルな筋力と集中力を必要とする大筋群を最初に行います。
また疲労度の大きな大筋群を先に終わらせる事で、精神的なプレッシャーを和らげる効果もあります。
疲労度が少ない小筋群であれば、大筋群を鍛えた後の余力でも十分に最大筋力を発揮する事は可能です。
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(5)効果を高めるウエイトトレーニングの頻度
では次に、ウエイトトレーニングの効果を高める頻度について見ていきましょう。
ウエイトトレーニング後は超回復の期間
トレーニングによって筋肉がダメージを受けると、疲労や筋繊維の損傷によって一時的に筋力が低下します。
損傷した筋繊維が修復されるには暫く休養期間が必要ですから、その間は同じ部位のトレーニングは控えておきましょう。
そして筋肉の疲労や損傷が治まり、超回復した時点で再び同じ部位をトレーニングします。
このローテーションを繰り返す事によって筋肥大が起こり、次第に筋力がアップしていく訳です。
では、超回復に伴う休養期間はどれくらい必要なのか?
筋トレを行う頻度の目安
一般的に、超回復には48~72時間が必要だと言われています。
ですから回数的に言うと、同じ部位は週に2回くらいの頻度でトレーニングすれば良いという事になります。
ただ、これはあくまでも目安ですから、ウエイトトレーニングの頻度は筋肉の疲労に応じて変える必要があります。
例えばトップビルダーになると各部位を集中的に鍛えますから、同じ部位のトレーニングは週に1回程度の場合もあります。
つまり、ウエイトトレーニングの強度が上がるほど超回復には時間がかかるので、その分だけ頻度を落とす必要がある訳です。
筋肉痛とトレーニングの頻度
目安としては、筋肉痛が残っている部位はトレーニングを控えた方が良いでしょう。
※参考記事はコチラ⇒筋トレで起こる筋肉痛の原因と治し方!超回復や筋肥大との関係は?
あるいは、モチベーションが上がらない時は運動レベルも低下しますから、むしろトレーニングしない方が良い場合もあります。
私自身の経験からしても、いつもより頻度が空いてしまった時の方が、かえって運動レベルが向上したという事はよくあります。
ですからウエイトトレーニングの頻度に関しては、少し余裕をもって設定してみると良いかもしれません。
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(6)ウエイトトレーニングによる身体の変化
筋トレの効果は初心者ほど現れやすい
ウエイトトレーニングを行うと、一体どれ位の期間で身体が変化するのでしょうか?
これについては、伸びしろの大きな初心者ほど変化のスピードが速くなります。
私自身の経験で言うと、正しい方法でウエイトトレーニングを行えば、最初の1か月くらいで鏡に映る自分の姿が変わってきます。
そして3か月もすると見た目そのものが変わり、他人の目から見ても変化が分かるようになります。
更に継続して半年もすれば、あなたの身体は始めた頃に比べると別人のようになっている筈です。
そして自分の見た目に自信が付いて、内面までポジティブに変化している事でしょう。
このように、ウエイトトレーニングを始めてから半年くらいは面白いように身体が変化します。
筋肥大とホメオスタシス
そして中級者になってくると次第に伸びしろが少なくなりますから、変化のスピードも遅くなってきます。
更に上級者になると筋量が限界値に近付いてきますから、例えば1年間で腕がわずかに数ミリだけ太くなったというような世界になります。
こうして、あるレベルまで達すると筋量の著しい増加が止まってしまうのは、私たちの身体にホメオスタシスという機能が備わっているからです。
ホメオスタシスとは恒常性とも呼ばれ、簡単に言うと身体を一定の状態に保とうとする働きです。
仮にウエイトトレーニングを行って、筋量が右肩上がりに増加し続けるとどうなるでしょうか?
身体が大きくなり過ぎると膝関節だけではなく、心臓などにも負担がかかり易くなります。
そこで、こうした危険な状態を回避する為にホメオスタシスが働き、身体の変化にストップをかける訳です。
これはウエイトトレーニングとは逆に、ダイエットで脂肪を減らして体重を落としていく時にも起こります。
いわゆる、ダイエット中の停滞期がそれに当たります。
つまりホメオスタシスとは、言ってみれば身体のリミッターのようなものです。
ちなみに筋肉増強剤を使用すると通常では考えられないレベルにまで筋肥大が起こるのは、このリミッターが外れてしまうからです。
※参考記事はコチラ⇒筋肉増強剤の基礎知識!アナボリックステロイドの効果と副作用、使い方
まとめ
(1)ウエイトトレーニングを大きく分けると、自宅でできる自重トレーニング、初心者向けの筋トレマシーン、中級者から上級者向けのフリーウエイトの3種類があります。
(2)ウエイトトレーニングの「強度」は「重量」×「スピード」ですから、強度を高めて筋肥大を起こすには、短時間の爆発的な動作で力を出し尽くす事が重要です。
(3)ウエイトトレーニングでは、メインの1セットで限界を超える事ができれば筋肥大のスイッチが入ります。
(4)ウエイトトレーニングを分割法で行う場合は大筋群と小筋群を組み合わせ、先に大筋群から始めると筋トレの効果が高まります。
(5)ウエイトトレーニングの頻度は目安として週に2回くらいが望ましいですが、疲れが残っている場合は回数を減らした方が良いでしょう。
(6)ウエイトトレーニングの効果は初心者ほど現れやすく、最初の約半年間で身体が大きく変化します。
いかがでしょうか。ウエイトトレーニングは肉体改造を行う上では最適な筋トレの方法です。
ただし急激に強度を上げると怪我の原因になりますから、あくまでも筋肉の成長分に合わせて少しずつ負荷を増やして行きましょう。
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