ウォーキングはメタボ対策に有効な運動ですが、やり方を間違えると思うような効果が現れません。
ウォーキングには最適な強度、行うべき時間帯、必要な継続時間など幾つかの留意点があります。
また、時間毎の消費カロリーを知っておけばダイエットの目標も立てやすくなります。
そこで今回は、ウォーキング時間と脂肪燃焼の関係について話したいと思います。
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【目次】
(1)メタボ解消に最適なウォーキング強度は?
- エネルギー源は糖質と脂肪の2つ
- 体脂肪を効率よく燃やす運動強度
(2)メタボ解消に最適なウォーキングの継続時間は?
- 脂肪燃焼のメカニズム
- 約20分で脂肪燃焼ゾーンに突入
(3)メタボ解消に最適なウォーキングの時間帯とは?
- ベストタイミングは空腹時
- 筋トレの直後は脂肪の燃焼効率がアップ
- メタボ改善には筋トレと有酸素運動のどちらが有効?
(4)メタボ解消の目安!ウォーキング時間で分かる脂肪燃焼の効果
- ウォーキング時間と脂肪の燃焼量
- 食品別のカロリー消費に必要なウォーキング時間
(5)メタボ対策に役立てよう!体重別に見たウォーキングの消費カロリー
まとめ
(1)メタボ解消に最適なウォーキングの強度は?
ウォーキングはメタボ対策における非常にポピュラーな運動の一つです。
ただし効率良く体脂肪を燃焼させる為には幾つかの留意点があります。
そこで先ずは体脂肪の燃焼効率を上げるウォーキングの強度について話します。
エネルギー源は糖質と脂肪
私たちが運動を行う時に使うエネルギー源には、糖質と脂肪の2つがあります。
糖質は糖分やご飯、麺類、パンなどの主食と呼ばれる炭水化物から得られ、主にパワーとスピードを必要とする強度の高い運動時に使われます。
例えば無酸素運動と言われる100メートル走は、短時間で全力を出し切る非常に強度の高い運動ですから糖質エネルギーが優先して使われます。
一方で脂肪は強度の低い長時間の有酸素運動において、酸素を取り込みながら燃焼してエネルギーに変わります。
ですから例えばマラソンの場合、ペース配分によって糖質エネルギーと脂肪エネルギーの利用配分も変わってきます。
仮にペースが落ち着いて呼吸が楽な状態であれば脂肪のエネルギー利用が優勢になります。
しかしペースが上がった時、あるいはラストスパートでピッチを上げる場合には、パワーとスピードが必要になりますから糖質エネルギーの利用配分が増える訳です。
つまり運動の強度が高まり、酸素不足で呼吸が苦しくなるほど糖質エネルギーが多く使われるのです。
なぜなら体脂肪は酸素が無ければ燃焼しないので、酸素不足になると糖質エネルギーが必要になるのです。
糖質は酸素が無くてもエネルギーに変わります。
ではウォーキングなどの有酸素運動の場合、最も効率よく脂肪がエネルギー利用される運動の強度はどの程度なのでしょうか?
体脂肪を効率良く燃やす運動強度
それは運動中の心拍数を目安にすると、最大心拍数の50~65%を維持すれば良いとされています。
その心拍数ゾーンの計算方法は次の通りです。
心拍数→(220-年齢)×(0,5~0,65)
例えば40歳の人であれば、(220-40)×(0,5~0,65)=90~117になります。
ですから、心拍数が90~117の範囲でウォーキングを行えば最も効率よく体脂肪が燃焼するという訳です。
感覚で言うと軽く息が弾んで適度に汗ばむくらいの強度であり、ちょうど心地良い気分だと思います。
実際の心拍数を確かめながらウォーキングを行うのであれば、腕時計型の心拍計を装着しておくと便利です。
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(2)メタボ解消に最適なウォーキングの継続時間は?
2つ目の留意点は、ウォーキングをどれくらいの時間続ければ良いかという事です。
ウォーキングなどの有酸素運動の場合、運動を開始してから直ぐに脂肪が効率良く燃焼する訳ではありません。
そこで、まずは脂肪燃焼のメカニズムについて理解しておきましょう。
脂肪燃焼のメカニズム
体脂肪は通常、中性脂肪という安定した状態で蓄えられており、そのままでは燃焼する事が出来ません。
ですからウォーキングを始めたからと言って、直ぐに体脂肪がエネルギーに変わる訳ではないのです。
糖質エネルギーとは性質が違って、体脂肪は燃焼するまでに幾つかの過程を経なければなりません。
まずウォーキングを始めると体温が上昇し、心拍数が上がり、血流が良くなってきます。
するとアドレナリンと呼ばれるホルモンが分泌されます。
このアドレナリンは脂肪分解酵素のリパーゼを活性化させます。
するとリパーゼが中性脂肪を燃焼しやすい状態の脂肪酸に分解します。
そして脂肪酸は血中に溶け出して全身に運ばれ、必要に応じて筋肉細胞に取り込まれて燃焼しエネルギーに変わります。
約20分で脂肪燃焼ゾーンに突入
通常こうして脂肪燃焼ゾーンに入るまでには、運動を開始してから約20分が必要だと言われています。
ですから少し休憩を入れながらでも良いので、20分以上は運動を続けましょう。
20分が経つと、いよいよダイエットの本番です!
なお、燃焼せずに残ってしまった脂肪酸は再び中性脂肪に変わり体脂肪に戻ります。
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(3)メタボ解消に最適なウォーキングの時間帯とは?
3つ目の留意点はウォーキングを開始するタイミングです。
このタイミングによってメタボ解消の効果は大きく変わってきます。
体脂肪の燃焼効率を高めるタイミングは次の2つです。
ベストタイミングは空腹時
1つ目は空腹時です。
何故なら優先的に利用されるのは糖質エネルギーの方で、脂肪は予備のエネルギーだからです。
もし食事で糖質を摂取すると、暫くの間は血糖値が上がり身体は糖質エネルギーで満たされます。
すると予備エネルギーの脂肪を燃やす必要はありませんから、この時間帯にウオーキングを行っても体脂肪は落ちにくい訳です。
逆に糖質エネルギーが減って血糖値が下がってくると空腹を感じ始めます。
そこで脳は体脂肪を燃やしてエネルギーを補給せよと命令を下します。
すると先ほども説明した脂肪分解酵素のリパーゼが活性化し、中性脂肪を燃焼しやすい脂肪酸に分解し始めます。
つまり、空腹時は脂肪がエネルギー利用されやすい時間帯という事になります。
筋トレの直後は脂肪の燃焼効率がアップ
更に筋トレの直後もウォーキングを始めるのには最適の時間帯です。
筋トレを行うと闘争ホルモンのアドレナリンが分泌され、それに伴い脂肪分解酵素のリパーゼが活性化します。
既に述べている通りリパーゼは中性脂肪を燃焼しやすい脂肪酸に分解しますから、筋トレの直後は脂肪酸が体内に大量生産されている訳です。
ですからこのタイミングでウォーキングを始めれば、脂肪酸が次から次へと燃焼する訳です。
こうした意味で筋トレと有酸素運動を組み合わせると脂肪燃焼の相乗効果が生まれますから、メタボ解消には最適です。
メタボ改善には筋トレと有酸素運動のどちらが有効?
ちなみに、メタボ改善には筋トレと有酸素運動のどちらが有効だと思いますか?
それは筋トレです。
なぜなら筋トレで筋肉を増やすと脂肪燃焼体質になり、有酸素運動を習慣的に行うと省エネ体質になるからです。
※参考記事はコチラ⇒なぜ、メタボ解消には有酸素運動より筋トレが有効なのか?
そこでメタボ改善の効果を高めるのであれば筋トレをメイン、有酸素運動をサブで行うのが理想的です。
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(4)メタボ解消の目安!ウォーキング時間で分かる脂肪燃焼の効果
さて、有酸素運動を効率良く行う為の留意点について理解して頂いた所で、実際にウォーキングを行う時間によって、どれだけの体脂肪が落ちるのかを検証してみたいと思います。
ちなみに体脂肪は1gで7,2キロカロリーありますから、仮に1kgの体脂肪を減らすには7200キロカロリーの消費が必要になります。
では体重60kgの人が普通速度のウォーキングを行った場合の脂肪燃焼の目安についてシュミレーションを開始してみましょう。
ウォーキング時間と脂肪の燃焼量
開始~20分⇒60キロカロリーを消費。体内では体脂肪燃焼の準備中。
30分経過⇒90キロカロリーを消費。体脂肪4,2g減少。
40分経過⇒120キロカロリーを消費。体脂肪8,4g減少。
50分経過⇒150キロカロリーを消費。体脂肪12,6g減少。
60分経過⇒180キロカロリーを消費。体脂肪16,8g減少。
ここまで歩いた消費カロリーは、ようやくコンビニサイズのおにぎり約1個弱分です。
⇩
90分経過⇒270キロカロリーを消費。体脂肪29,4g減少。
⇩
120分経過⇒360キロカロリーを消費。体脂肪42g減少。
⇩
⇩
40時間経過⇒7200キロカロリーを消費。体脂肪約1kg減少。
いかがでしょうか?
ウォーキングを行った時間の割に、体脂肪はそれほど減らないという事がお分かり頂けたと思います。
しかも1kgの体脂肪を落とすには目安として40時間ものウォーキングが必要ですから、運動だけで痩せるのが如何に大変かが分かります。
ちなみに毎日1時間のウォーキングを続けた場合、半年でようやく3kgの体脂肪が落ちる計算になります。
そこで運動に加えて食事の管理をする事によってメタボ改善の効果が高まります。
例えば1日にコンビニサイズのおにぎり1個分(約168キロカロリー)の余分な糖質を減らしたとすれば、半年で約7,2kgの体脂肪が落ちる計算になります。
糖質は糖分の他にも、御飯、麺類、パンなどの主食と呼ばれる炭水化物に多く含まれており、食べ過ぎた分は体脂肪に変わります。
※参考記事はコチラ⇒お腹回りが綺麗に痩せる食事!ダイエットに成功する糖質制限の方法
では、次に食事から摂取したカロリーでどれ位のウォーキングが可能なのかをシュミレーションしてみましょう。
食品別のカロリー消費に必要なウォーキング時間
- 食品名・(食品のカロリー(キロカロリー)・消費に必要なウォーキング時間)の順に表示しています。
※ウォーキング時間は体重60kgにおける目安です。
「パン類」
- 食パン6枚切1枚(160・53分)
- コンビニサイズのおにぎり(168・56分)
- ジャムパン(138・79分)
- あんぱん(266・88分)
- クリームパン(290・97分)
- ハンバーガー(307・102分)
- メロンパン(433・144分)
「めん類」
- カップラーメン(336・112分)
- たぬきうどん(394・131分)
- 天ぷらうどん(441・147分)
- きつねうどん(516・172分)
- スパゲティ(665・222分)
「ご飯類」
- 普通サイズのご飯(235・78分)
- 天丼(552・184分)
- 親子丼(569・190分)
- カレーライス(603・201分)
- うな丼(692・230分)
- 牛丼(798・236分)
- カツ丼(922・307分)
いかがでしょうか?
食べた分をウォーキングでカロリー消費するには予想以上に時間がかかる事がお分かり頂けたと思います。
なお、人間は生きているだけで消費される最低限のカロリーがあります。
それは基礎代謝と呼ばれており、目安としては一般の成人女性で1200キロカロリー、男性で1500キロカロリーです。
この基礎代謝は消費カロリー全体の約7割を占めており、残りの2割が身体を動かしたり運動した時に生じるカロリーで、後の1割は消化吸収で生じるカロリーです。
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(5)メタボ対策に役立てよう!体重別に見たウォーキングの消費カロリー
ウォーキングによる消費カロリーは速度や体重で大きく変わってきますので、最後にその目安について示しておきます。
体重別に見た、ペース・時速・1時間の消費カロリーは次の通りです。
「体重50kgの場合」
- ゆっくり→時速3,2km・147キロカロリー
- 普通 →時速4,0km・158キロカロリー
- やや速い→時速4,8km・184キロカロリー
- 速い →時速5,6km・226キロカロリー
「体重60kgの場合」
- ゆっくり→時速3,2km・176キロカロリー
- 普通 →時速4,0km・189キロカロリー
- やや速い→時速4,8km・221キロカロリー
- 速い →時速5,6km・271キロカロリー
「体重70kgの場合」
- ゆっくり→時速3,2km・206キロカロリー
- 普通 →時速4,0km・221キロカロリー
- やや速い→時速4,8km・257キロカロリー
- 速い →時速5,6km・316キロカロリー
「体重80kgの場合」
- ゆっくり→時速3,2km・235キロカロリー
- 普通 →時速4,0km・252キロカロリー
- やや速い→時速4,8km・294キロカロリー
- 速い →時速5,6km・361キロカロリー
まとめ
(1)脂肪燃焼に最適なウォーキングの強度。
- (心拍数)→(220-年齢)×(0,5~0,65)
- 感覚で言うと軽く息が弾んで適度に汗ばむくらいの強度です
(2)ウォーキングを開始してから約20分後に燃焼燃焼ゾーンに入ります。
(3)ウォーキングを行うのに最適な時間帯は空腹時、あるいは筋トレの直後です。
(4)1kgの体脂肪を減らすには、体重60kgの人が普通速度でウォーキングを行った場合は目安として約40時間かかります。
(5)体重60kgの人が1日1時間のウォーキングを行った場合、半年後には体脂肪が約3kg減少する計算になります。
いかがでしょうか。ウォーキングを初めとする有酸素運動を行う場合は、幾つかのポイントを押さえておくと体脂肪の燃焼効率が高まります。
そしてメタボ解消の秘訣は、毎日の継続的な運動と日頃の食事でちょっとした糖質の食べ過ぎを控える事です。
焦らずに、ゆっくりとメタボを改善していきましょう。
※おすすめ記事はコチラ⇒皮下脂肪を減らす!ウォーキング&ジョギングの効果、違いとは?
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