筋トレで起こる筋肉痛の原因と治し方!超回復や筋肥大との関係は?

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筋トレには筋肉痛がつきものです。

そして筋肉痛が強いほど、超回復によって筋肥大が起こりやすいと思われがちです。

しかし、必ずしもそういう訳ではありません。

実は筋肉痛のメカニズムについては、まだ解明されていない点が多いのです。

そこで今回は筋トレと筋肉痛の関係、あるいはその原因と治し方について解説したいと思います。

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【目次】

(1)筋トレ後の筋肉痛の原因とは?

  • 筋肉は痛みを感じない?
  • 筋肉痛の特徴
  • 乳酸は筋肉痛の原因ではない
  • 筋繊維の損傷が筋肉痛に変わるメカニズム
  • 筋肉痛が起こりやすい動作

(2)筋肉痛と超回復、筋肥大の関係

  • 筋肉痛は筋トレのバロメーター?
  • 新説!筋肉が破壊されなくても筋肉痛が起こる
  • 筋肉痛の強さと筋肥大は比例するのか?

(3)筋肉痛の効果的な治し方

  • 筋肉痛の治し方①:十分な水分補給
  • 筋肉痛の治し方②:タンパク質の摂取
  • 筋肉痛の治し方③:その他に必要な栄養素
  • 筋肉痛の治し方④:十分な睡眠
  • 筋肉痛の治し方⑤:ストレス解消

まとめ

(1)筋トレ後の筋肉痛の原因とは?

筋肉は痛みを感じない?

筋肉痛は筋トレにつきものな現象ですが、そのメカニズムを知るには先ず筋肉の構造を理解しておく必要があります。

筋肉は多数の糸状の筋繊維で構成されており、それを束ねているのが筋膜です。

つまり、筋肉組織の表面を覆っているのが筋膜という訳です。

そして筋繊維には痛みを感じる痛覚がほとんど無いと言われています。

一方で筋膜には痛みを感じる神経があります。

つまり筋肉痛というのは、筋膜を通じて引き起こされる症状という事になります。

ですから厳密には筋肉痛ではなく筋膜痛といった方が良いかもしれません。

筋肉痛の特徴

皆さんも筋肉痛の経験はあるかと思いますが、筋肉痛は運動の直後に生じる訳ではありません。

人によっては数時間後、あるいは翌日に起こる事もある筈です。

つまり、筋肉痛は運動後に暫く時間を置いてから起こる症状であり、専門用語では遅発性筋肉痛とも呼ばれています。

これは筋トレなどで損傷した筋繊維には痛覚が無いという証拠でもあります。

そして時間差で筋膜に痛みが生じる事によって筋肉痛となる訳です。

乳酸は筋肉痛の原因ではない

以前の生理学では、筋肉痛は疲労物質である乳酸の蓄積が原因で生じるものだと考えられていました。

しかし実際のところ乳酸は疲労によって生じた老廃物ではなく、運動時のエネルギー生産の際に分解された糖質の副産物である事が分かってきました。

つまり、乳酸は疲労物質ではなく大切なエネルギー源であると考えられる訳です。

また、乳酸は運動後30分もすれば元の数値に戻りますから、運動後に遅れて生じる筋肉痛の原因であるとは考えにくい訳です。

筋繊維の損傷が筋肉痛に変わるメカニズム

では筋トレなどの運動によって筋繊維が損傷した場合、どのようなメカニズムで筋膜に痛みが生じるのか。

現在の有力な説は以下の通りです。

①筋繊維に損傷が起こる。

②損傷を修復する為に白血球が集まり炎症が起こる。

③炎症部分で痛みを起こす発痛物質が生成される。

④発痛物質が筋膜を刺激して筋肉痛となる。

こうして痛みが生じる事により、炎症を起こした筋肉は暫く自由に動かせなくなります。

つまり筋肉痛には、損傷した筋肉を安静にして回復を促すための重要な役割がある訳です。

筋肉痛が起こりやすい動作

一言で筋トレと言っても、筋肉の動作は次の3つに分けられます。

①筋肉を収縮させながら力を発揮する動作(コンセントリック)

②筋肉を伸ばしながら力を発揮する動作(エキセントリック)

③力を入れた状態を保持する動作(アイソメトリック)

これを分かりやすく、腕の力でダンベルを持ち上げる時の動作に当てはめてみましょう。

①はスタートポジションからダンベルを持ち上げる動作で、筋肉が縮んで力コブが盛り上がる状態です。

②は持ち上げたダンベルを下ろしていく動作で、筋肉が伸ばされる状態です。

③は持ち上げたダンベルを下ろす動作を途中で止めて、その状態をキープします。

さて、この3つの動作の中で、特に筋肉痛を起こしやすい動作はどれだと思いますか?

その答えは②という事になります。

なぜなら、筋肉は縮める時よりも伸ばす時の方が使われる筋繊維の割合が少なくなるからです。

すると、ダンベルを下ろす動作では筋繊維1本当たりに加わる負荷が大きくなるので、その分だけ損傷も起こりやすくなる訳です。

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(2)筋肉痛と超回復、筋肥大の関係

筋肉痛は筋トレのバロメーター?

筋トレに取り組んでいる多くの人たちの間では、こんな考え方が定説になっている筈です。

「筋トレで筋肉が破壊されると筋肉痛になる。すると超回復によって筋肥大が起こる」

(超回復とはダメージを受けた筋肉が回復すると、以前よりも筋肉が強くなっている状態です)

つまり筋肉痛という症状は、ある意味で筋トレで超回復を起こすバロメーターになっている訳です。

ですから筋肉痛が起これば筋トレが上手く行った、逆に筋肉痛が起こらなければ筋トレが上手く行かなかったと思われがちなのです。

しかし最近の研究では、それを覆すような興味深い結果も出ています。

新説!筋肉が破壊されなくても筋肉痛が起こる

筋肉痛のメカニズムについては、まだまだ解明されていない事がたくさんあります。

ですから今は正しいとされている理論も、将来的に研究が進むと実は間違っていたという可能性もある訳です。

例えば筋肉痛と筋肉破壊の関係については、ある興味深い実験が行われています。

その実験によると、動物に筋肉痛を起こさせて筋肉の状態を調べてみたところ、筋繊維には損傷が見られなかったというデータも得られたのです。

つまり筋肉痛は筋繊維の破壊だけではなく、筋膜の異変によっても生じるのではないかという仮説が成り立つ訳です。

こうした意味で、筋肉痛のメカニズムについては謎の部分も多いのが実情です。

筋肉痛の強さと筋肥大は比例するのか?

筋トレで筋肉を大きくするには、超回復によって筋肥大を起こす必要があります。

(筋肥大とは、超回復によって筋繊維が太くなる事です)

その為には、筋肉に今の限界を超える様な高強度の刺激を与えなければなりません。

この時に筋肉が破壊され、筋肉痛が強ければ強いほど筋肥大も起こりやすいと考えている方は多い筈です。

しかしながら、全日本ボディビル選手権大会で見事に4連覇を果たしている田代誠氏は、ある雑誌のインタビューで筋肉痛について次のようなコメントを残しています。

「急にトレーニングをして筋肉痛になる事はあるが、通常はほとんど起こらない」

「筋肉痛は気にしていないし、あってもなくても関係ない」

「筋肉痛になるのは負荷が多すぎるという事なので、自分にとってはダメなトレーニング」

つまり筋トレで大切なのは、筋肉の成長分に見合った負荷を少しずつ増やして行く事であり、闇雲に筋肉を破壊すれば良いという訳ではないようです。

ですから考え方によっては、激しい筋肉痛はむしろオーバートレーニングのサインという事になるのかもしれません。

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(3)筋肉痛の効果的な治し方

筋肥大を起こすには、「筋トレ」→「超回復」→「筋トレ」→「超回復」のサイクルを通じて、筋肉への刺激を徐々に増やして行く必要があります。

そして筋肉痛の状態というのは筋繊維や筋膜に疲労が残っている訳ですから、基本的には超回復に必要な期間という事になります。

一般的に超回復には48~72時間が必要と言われており、この期間に筋肉へ十分な栄養と休養を与える事によって筋肥大が起こります。

しかし筋肉痛が長引いている場合は、超回復が上手く行っていないという可能性もあるでしょう。

そこで、筋肉痛を効果的に治す5つの方法をご紹介しておきます。

筋肉痛の治し方①:十分な水分補給

私たちの体内では様々な代謝が行われています。

簡単に言うと、代謝とは消化以外の全ての体内活動という事になります。

ですから、筋トレなどで損傷した筋肉が修復されて元に戻るのも代謝の一つです。

そして代謝は必ず水分を介して行われるので、特に筋肉痛の激しい時は十分な水分補給で代謝を促す必要があります。

筋肉痛の治し方②:タンパク質の摂取

損傷した筋肉を修復するには、筋肉の材料となる栄養をしっかりと摂取する事が重要です。

中でも重要な栄養素がタンパク質であり、食材としては肉、魚、卵、大豆製品などに多く含まれています。

また、プロテインはタンパク質を効率よく摂取できるタンパク補助食品です。

筋肉痛の治し方③:その他に必要な栄養素

タンパク質は筋肉を作る大切な栄養源ですが、筋肉痛の回復に必要な栄養素はまだ他にもあります。

例えばビタミン・ミネラルは身体の機能を調整する働きがありますから、代謝には必要不可欠な栄養素です。

特に、ビタミンB群にはタンパク質を筋肉に運び届ける重要な役割があります。

また、超回復によって筋肥大が起こるには成長ホルモンの分泌が必要であり、その材料となるのが脂肪分です。

そして、適量の糖質はタンパク質の吸収力を高めます。

筋肉痛の治し方④:十分な睡眠

成長ホルモンの分泌が高まるのは睡眠中です。

ですから睡眠不足になると成長ホルモンの分泌が低下し、損傷した筋肉の回復を遅らせてしまいます。

その結果として、筋肉痛の治りが悪くなる事もある訳です。

筋肉痛の治し方⑤:ストレス解消

私たちがストレスを感じると、コルチゾールと呼ばれるホルモンが分泌されます。

これはストレスに打ち勝つためのホルモンで、別名でストレスホルモンとも呼ばれています。

しかしコルチゾールが過剰に分泌されると成長ホルモンの働きを阻害します。

すると損傷した筋肉の修復が上手く行かなくなります。

つまり、ストレスを溜め込むと筋肉痛が長引いてしまう可能性がある訳です。

ですから、筋肉の成長にはストレスを上手く解消する事も重要なのです。

まとめ

(1)筋繊維には痛覚がなく、筋膜には痛みを感じる神経があります。

(2)筋肉痛は、主に筋肉の炎症による発痛物質が筋膜の神経を刺激して起こります。

(3)筋肉痛の強さと超回復による筋肥大は、必ずしも比例する訳ではありません。

(4)最近の研究では、筋肉痛=筋肉の破壊という定説が覆る実験データが出ています。

(5)筋肉痛を効果的に解消するには、筋肉に十分な栄養と休養を与える必要があります。

いかがでしょうか。筋肉痛のメカニズムについては謎が多く、今後の研究によって新たな理論も生まれてくると思います。

そして、筋肉痛の常識が大きく変わる日は近いかもしれません。

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