運動には大きく筋トレと有酸素運動の2つがあります。
もし脂肪を落とすのが目的であれば、あなたはどちらの方法を選びますか?
おそらく脂肪を燃やすイメージのある有酸素運動と答える人が多いのではないでしょうか。
しかし、どちらか1つを選ぶとなれば効果的な運動方法は筋トレという事になります。
なぜでしょうか?
そこで今回は、脂肪を落とす筋トレの効果と方法について話します。
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【目次】
(1)なぜ、筋トレが脂肪を落とす唯一の方法なのか?
- 筋トレで脂肪燃焼体質になれる
- 有酸素運動は脂肪の燃焼効率を下げる!?
(2)筋トレで筋肉が大きくなるメカニズム
- 筋肉は2種類ある
- 筋肉が大きくなる仕組み
(3)脂肪を落とす筋トレの方法①ー自重トレーニング
(4)脂肪を落とす筋トレの方法②ーアイソメトリックトレーニング
(5)脂肪を落とす筋トレの方法③ーウエイトトレーニング
まとめ
(1)なぜ、筋トレが脂肪を落とす唯一の方法なのか?
ウォーキングやジョギングなどの強度の低い長時間の運動、即ち有酸素運動を行うと体脂肪が燃えてエネルギーに変わるのはご存知だと思います。
そして脂肪を落とす為にダイエットとして取り入れている人も数多くいるでしょう。
では筋トレも同じ様に体脂肪を燃やしてくれると思いますか?
実は筋トレの様に瞬間的に強い力が必要な運動の場合は、脂肪エネルギーではなく主に糖質エネルギーが使われます。
簡単に言うと持久型の運動は脂肪エネルギーを使い、短距離型の運動は糖質エネルギーを使います。
この2つのエネルギーの大きな違いは、脂肪は酸素がなければ燃焼できないのに対して、糖質は酸素がなくてもエネルギーに変わるという事です。
そうすると、筋トレは直接的に脂肪を燃やす運動ではないのでダイエットには向いていないと思われるかもしれません。
筋トレで脂肪燃焼体質になれる
しかし筋トレを行うと筋量が増えるので基礎代謝が上がります。
基礎代謝とは人間が生きているだけで必要なエネルギーで、目安として成人の男子で1500キロカロリー、女子で1200キロカロリーです。
ですから筋肉が増えると何もしなくても寝ている間にもカロリー消費が増加するので脂肪燃焼体質になれるのです。
ちなみに筋肉が1kg増加すると、基礎代謝だけで50キロカロリーの消費が増えると言われています。
つまり、筋肉は何かとエネルギーの消費が多いという訳です。
当然の事ながら筋量の多い身体はエネルギーが余分に必要ですから、運動を行った場合でもたくさんの脂肪を燃焼してくれます。
有酸素運動は脂肪の燃焼効率を下げる!?
これに対して有酸素運動は直接的に脂肪を燃やす運動ではあるのですが、習慣的に行っていると身体は有酸素運動に適した状態に変化します。
それは、より少ないエネルギーで出来るだけ長時間の運動が可能な身体、つまり省エネ体質という事になります。
では省エネ体質になる為に身体はどう変化すると思いますか?
まず、脂肪は貴重なエネルギー源ですから出来るだけ残しておこうとします。
そこでカロリー消費の多い筋肉が減らされる訳です。
こうした省エネ体質は脂肪の燃焼効率が悪くなりますから、習慣的な有酸素運動は脂肪を落とす方法としては最適ではないという事になります。
意外に思った方も多いのではないでしょうか。
ですからウォーキングやジョギングを続けている内に脂肪が落ちにくくなるのは、こうして身体が有酸素運動に適応した結果だと考えられる訳です。
じゃあ有酸素運動はやらない方が良いのか?
という事になると思いますが、やるなら筋トレと並行するのが理想的です。
筋トレで筋量を増やして脂肪燃焼体質になっておくと、有酸素運動を行った場合には脂肪を落とす効果が倍増します。
こうした意味で、筋トレは脂肪を落とす唯一の運動方法であると言える訳です。
※参考記事はコチラ⇒お腹の肉を落とす有酸素運動の5つの鉄則!筋トレ効果で脂肪を燃焼
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(2)筋トレで筋肉が大きくなるメカニズム
筋肉は2種類ある
筋肉には2種類あるのをご存じでしょうか?
それは遅筋と速筋で、この2種類の筋肉は筋肉繊維の中に入り混じっています。
遅筋は持久型の筋肉で、力は弱いですが長時間の運動に適していて、鍛えても太くなりにくい性質があります。
例えばマラソン選手は遅筋が発達していますから、基本的には痩せ型です。
一方の速筋は短距離型の筋肉でパワーとスピードに優れており、鍛えると太く大きく成長します。
短距離選手はその典型であり、速筋が成長して非常に筋肉質な体型をしています。
この事から、筋トレで筋肉を大きくする為には速筋を鍛える必要がある事は理解していただけると思います。
ですから大きくならない遅筋をいくら鍛えたとしても筋量は増えないという事です。
そこで速筋を鍛えて筋量を増やすには、筋肉にパワーとスピードの刺激を与える必要があります。
やり方としては、そこそこの重さのあるダンベルなどの重量物を出来るだけ早く持ち上げる運動が速筋を鍛えます。
筋肉が大きくなる仕組み
ではなぜ筋肉が大きくなるのか?
それは超回復と呼ばれる身体の適応反応によるものです。
例えばダンベルを持ち上げて筋肉に持ち堪えられない様な強い負荷が加わると筋肉が損傷を受けてしまいます。
すると脳はその状況に危機感を示し、筋肉を強くして対応しようとします。
そこで脳は次の様な命令を下します。
「同じ負荷に耐えられる様に筋肉を太くして力を付けなさい」
すると損傷を受けていた筋肉が回復した時には、以前の状態よりも筋肉が太く強くなっている訳です。
つまり以前の状態を超えた回復なので超回復と呼ばれるのです。
そして超回復によって筋肉が大きくなる事を筋肥大と言います。
このように筋トレというのは、「筋肉を大きくする必要がありますよ」と脳に伝える為の疑似環境作りなのです。
これはある意味で意図的に脳をダマしていると言っても良いでしょう。
(3)脂肪を落とす筋トレの方法①-自重トレーニング
さて、脂肪を落とす筋トレ方法の1つ目が自重トレーニングで、これは自分の体重を利用して行う筋トレです。
この方法は1畳分のスペースさえあれば自宅でも簡単に行えるというメリットがあります。
種目としては、腕立て伏せ、腹筋運動、上体そらし、スクワット、かかと上げの5つで全身を鍛える事が出来ます。
ただし筋肉に与える事の出来る負荷が自分の体重という制限がありますから、速筋を鍛えるにはちょっとした工夫が必要です。
筋トレで速筋に強い刺激を加えるには運動の「強度」を高めなければなりません。
「強度」=「重さ」×「速さ」です。
ですから重さ(体重)に限界がある自重トレーニングは、動作をより速く行って強度を高める事が大切です。
では一体どれくらい速さで、どのくらいの回数を行えばよいのか?
これについては個人差がありますから一概には言えませんが、45秒という時間が鍵になります。
この時間は無酸素運動の限界と言われています。
無酸素運動とは十分な酸素を取り込まない状態で行われる運動の事です。
つまり速筋を使って全力を出し切れる高強度の運動時間の限界が約45秒という事なのです。
ですから自重トレーニングの場合でも45秒で力尽きるくらいの早い動作で行う事により、速筋に最大限の強度を加える事は可能です。
こうした方法とは逆に、ゆっくりとした動作でいくら回数をこなしたとしても速筋は鍛えられません。
そうした運動方法では主に遅筋が鍛えられるので筋肉は大きくならないのです。
つまり自重トレーニングで筋肉を大きくする為には如何に動作を早く行うかがポイントなのです。
この筋トレをそれぞれ1日に1セット行えば、速筋を十分に刺激する事が出来ます。
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(4)脂肪を落とす筋トレの方法②-アイソメトリックトレーニング
脂肪を落とす筋トレの2つ目はアイソメトリックトレーニングです。
これは身体を静止させたまま行う筋トレの方法です。
例えば動かない壁を力いっぱいに押したとしましょう。
この時、身体は静止して見えますが、腕や脚の筋肉は大きな力を出しています。
つまり、筋肉には筋トレを行った時と同じ様に強い刺激が加わっている訳です。
これがアイソメトリックトレーニングの原理です。
では身体の各部位を鍛える方法について見ていきましょう。
腹筋の鍛え方
①椅子に腰掛けて脚を大きく開きます。
②手を膝に乗せ、上半身を前傾させながら手で膝を押します。
腕の鍛え方
①手首を重ねて十字を作ります。
②互いの手首を押し合うと、下の腕は力コブ、上の腕は二の腕が鍛えられます。
胸の鍛え方
①手のひらを胸の前で合わせます。
②互いの手のひらを押し合います。
背中の鍛え方
①両手の指でカギを作り、お腹の前で握り合います。
②肩甲骨を寄せ合うイメージで両手を引き合います。
脚の鍛え方
①椅子に腰かけて足首を組みます。
②互いの足首を押し合うと、上の脚は太股の裏、下の脚は太股が鍛えられます。
以上がアイソメトリックトレーニングの方法です。
いずれも普通に呼吸をしながら約10秒間力一杯に行って下さい。
5分もあれば全身の筋肉が鍛えられます。
この筋トレをそれぞれ1日に1回ずつ行えば、筋量を増やして脂肪を落とす効果が高まります。
(5)脂肪を落とす筋トレの方法③-ウエイトトレーニング
脂肪を落とす筋トレ方法の3つ目はウエイトトレーニングです。
この方法はバーベル、ダンベル、マシーンなどの負荷を使った筋トレです。
負荷はいくらでも重くする事が出来るので、速筋への刺激を段階的に増やしていく事が可能です。
そして筋肉も刺激に反応してどんどんと大きくなって行きます。
いかなる種目を行うにせよ、筋トレは短時間に集中して筋肉へ高強度の刺激を与える事が大切です。
※種目の解説はコチラ⇒ダンベル筋トレで腰、お腹回りの脂肪を落とす!中年男性のダイエット
最も効果を高める方法としては、最大で8~10回が持ち上がるウエイトを使って1セットに集中します。
筋トレはセットを多くやったから、あるいは時間をかけて行ったからといって効果が高まる訳ではありません。
メインの1セットに集中し、今の限界を超える事さえ出来れば、脳が危機感を示して筋肉が反応します。
この極限の1セットを作り出せるかどうかが、筋肥大が起こるか起こらないかの鍵を握ります。
そして壊れた筋肉が修復されて超回復が起こるまでには48~72時間が必要とされていますから、強度の高い筋トレの場合は週に2回くらいの頻度で行うと良いでしょう。
まとめ
(1)筋トレで筋肉を増やすと基礎代謝が上がり脂肪燃焼体質になります。
(2)速筋に高強度の刺激を与えると超回復が起こり筋肉が肥大します。
(3)「強度」=「重さ」×「速さ」
(4)筋肉を増やす筋トレの方法。
- 自重トレーニング
- アイソメトリックトレーニング
- ウエイトトレーニング
いかがでしょうか。脂肪を落とす運動の基本は有酸素運動ではなく筋トレです。
更に食事の管理を行うと脂肪を落とす効果が倍増します。
※おすすめ記事はコチラ⇒メタボ改善の食事レシピ!食べても痩せるダイエット食材とは?
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